会社のトラブル

サービス残業対策

平成14年度の監督業務実施状況(厚生労働省労働基準局-統計資料)にみる、定期監督による違反状況のワースト3心当たりはありませんか?

1. 労働時間

違反内容

労基法 32条

1日8時間、1週40時間を越えて労働させてはならない。
時間外労働の延長に関する協定、いわゆる36協定を届け出ていないというものが大部分になります。

2. 就業規則

違反内容

10人以上の常用労働者がいる事業場では、就業規則を労働基準監督署に届け出る義務があるのですが、これを届けだしていないというものです。

3. 割増賃金

違反内容

割増賃金を支払っていない、あるいは支払っていても法定以上に支払っていないという事です。

※H22年4月1日より月60時間を超える法定時間外労働に対して、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。(中小企業は除く)

以下に続く違反状況は、4・労働条件の明示、5・賃金台帳となっております。

労働条件に関する不満、意に反する解雇など、労働者と企業との間に起こるたくさんのトラブル。そのような労使トラブルが起こる前に、事前に防ぐ方法はあるのです。私どもではトラブルの起こりやすい原因をチェックし、問題を解決する提案をさせて頂きます。


雇用相談

解雇の意志表示は、その事由と内容から普通解雇と懲戒解雇に大別できます。

普通解雇

労働者の側に事由のあるものと、会社側の都合で行うものがあります。

狭義の普通解雇

  • 労働者の労務提供の不能、困難
  • 労働能力の欠如
  • 労働義務の不履行

整理解雇

  • 不況や業務量の減少等で会社の経営が悪化したため、労働者の一部または全部の雇用が維持し難い経営状況に陥った場合に行う人員整理を目的とした解雇

懲戒解雇

懲戒解雇

労働者が服務規律違反や企業秩序に違反する非行、就業規則に抵触する職務上の義務違反、企業外行為で会社に重大な名誉・信用毀損を与えた場合に、それを非難して行う制裁としての解雇が懲戒解雇です。

労働基準法の解雇手続

労基法第20条は、労働者を解雇する場合の手続として、次の3つの方法のうちいずれかの方法をとることを義務付けています。
  • 少なくとも30日前に解雇予告をする方法
  • 解雇予告に代えて30日分の平均賃金(予告手当)を支払う方法
  • 解雇予告日数と予告手当を合算して30日分以上にする方法

労基法のこのような解雇手続は、普通解雇や懲戒解雇にかかわらず、同じように適用されます。
しかし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、労働者の責めに帰すべき事由による解雇の場合には、所轄労働基準監督署長の認定を受けることによって解雇予告や予告手当支払いをすることなく、即時に解雇することができます。(労基法第20条第1項ただし書、第3項)

また、次の労働者については、原則として解雇手続きは不要です。(労基法第21条)

  • 日々雇い入れられる者で使用される期間が1ヶ月以内
  • 2ヶ月以内の期間を定めて使用される者で、2ヶ月を超えて使用されることのない労働者
  • 季節的業務に4ヶ月以内の期間を定めて使用される者で、4ヶ月を超えて使用されることのない労働者
  • 試みの使用期間中の者で、その期間が14日を超えていない労働者

解雇予告期間

解雇予告期間

解雇予告がなされた日の翌日から起算して、解雇の効力発生の日を含めて少なくとも30日間が必要です(労働日ではなく暦日で計算しますので、休日または休業日も含まれます)。

解雇予告手当は解雇の日までに支払います。

解雇予告における解雇日の特定

解雇予告における解雇日の特定

いつ解雇されるのかが明確に認識できるように解雇日を特定して予告しなければなりません。

つまり、「○月○○日付けで解雇する」旨の明確な予告が必要となります。

解雇予告の更新

解雇予告の更新

解雇の予告はしたものの、解雇予定日をすぎて労働者を使用してしまった場合には、通常同一条件でさらに労働契約がなされたものとみなされので、その解雇予告については無効となり、その後解雇しようとするときには改めて解雇予告等の手続が必要となります。

解雇予告の取消し

解雇予告の取消し

解雇予告は、使用者が一方的になす労働契約の解除の意志表示であるので、使用者は事情が変更したからといって、任意にこれを取り消すことができません。

しかし、労働者の自由な意志に基づく同意を得て、解雇予告を取り消すことは差し支えないと解されています。


法律で禁止されている解雇

  • 国籍、信条、社会的身分を理由とする差別的解雇(労基法第3条)
  • 労働組合の組合員であること、または労働組合への加入・結成をし、労働組合の正当な活動をしたことを理由に解雇(労組法第7条第1号)
  • 女性労働者が、婚姻、妊娠及び出産したことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第8条第3項)
  • 労働者が労働基準監督署等に労基法違反等の事実を申告したことを理由とする解雇(労基法第104条第2項)
  • 安衛法違反の事実を申告したことを理由とする解雇(同法第97条第2項)
  • 労働者が賃金支払確保法違反の事実を都道府県労働局長等に申告したことを理由とする解雇(同法第14条第2項)
  • 女性労働者が雇用機会均等法に関する紛争の解決につき都道府県労働局長に援助を求めたことを理由とする解雇(同法第13条第2項)
  • 産前産後休業をしたことを理由とする解雇(男女雇用機会均等法第8条第3項)
  • 労働者が育児休業または介護休業の申出をしたり、実際に休業をしたことを理由とする解雇(育児介護休業法第10条、第16条)
  • 労働者の業務上負傷しまたは疾病にかかり療養のために休業する期間とその後の30日間、及び産前産後休業の期間とその後30日間(労基法第19条)

使用者が労働基準法に基づき解雇手続きをとり、その解雇が法律で禁止されているもので無くても、必要な条件をすべて充たしているわけではありません。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となることがあります。

使用者が「客観的に合理的な理由」を主張するには、以下のようなことが必要です。

  1. 解雇理由が事実として存在していること → その証拠となる事実関係を書面で残す
  2. 解雇理由の存在が客観的に認識可能な状態にあること →   〃
  3. 就業規則に該当する合理的な解雇事由であること

また、「社会通念上相当」と認められるには、以下のような対応を使用者が行っていることが必要です。

  1. 是正のために必要な、注意、指導、教育、監督を十分行ったか
  2. 是正のために必要な、転勤等の人事異動を行ったか
  3. 知りながら黙認していなかったか
  4. 従前の関連行為者の処分と比べて重くないか

客観的に合理的な理由で、社会通念上相当であると認められ、不法でない解雇を行う必要があります。

一方、上記のような、労働者の責任ではなく、使用者の都合で行う解雇があります。企業経営が悪化などしたことで労働者数を縮減するという「整理解雇」です。 仕方の無い状況とはいえ、使用者が無制限に行えるものではありません。

次の4つの用件を考慮して解雇権濫用の有無が判断されます。

  1. 経営上、人員削減を行うべき必要性があること
  2. 整理解雇する前に希望退職等、整理解雇を回避する手段を尽くしていること
  3. 解雇対象者の選定基準が客観的かつ合理的であること
  4. 労働者に対し、整理解雇の必要性とその時期・規模・方法について、納得を得るための説明を行い、誠意を持って協議すべき義務をつくしたこと

近年、解雇をめぐるトラブルが非常に多くなってきています。
解雇を行った場合、それが労働者にとって納得できない解雇であれば、裁判で争うことになりますが、裁判になると多額の費用がかかり、会社にとっては大変な負担となってしまいます。会社はそのようなトラブルが起きることを、あらかじめ避けるような準備が必要です。

また、解雇のトラブルと同じ程度に、労働契約の満了や雇い止めのトラブルが多く発生しています。トラブルを回避する準備が必要です。

是正勧告

解雇のトラブルと同じ程度に、労働契約の満了や雇い止めのトラブルが起きています。トラブルを回避する準備が必要です。

是正勧告を一言でいえばイエローカードつまり「警告」です!
労働基準監督署が調査を行い、その結果、「労働基準法」「労働安全衛生法」に定められた基準に違反する会社に交付されるものです。
是正勧告そのものには法的拘束力はありませんが、適切に対応しないと、逮捕、送検(レッドカード)におよぶこともあるので注意が必要です。

是正勧告のワースト5は、以下の通りです。

是正勧告のワースト5は、以下の通りです。
1. 労働時間<違反例> 時間外労働の延長に関する協定、いわゆる36協定を届け出ていない。
2. 就業規則<違反例> 10人以上の常用労働者がいる事業場では、就業規則を労働基準監督署に届け出る義務があるが、これを届け出ていない。
3. 割増賃金<違反例> 割増賃金を支払っていない、あるいは支払っていても法定以上に支払っていない。
4. 労働条件の明示<違反例> 従業員の雇い入れ時に賃金、労働時間などを書面にて明示していない。
5. 賃金台帳<違反例> 賃金台帳への労働時間の未記入。

心当たりはございませんか?

この他に最近指摘されるケースが多いもので、賃金台帳、出勤簿、労働者名簿の不備や健康診断(雇入時、定期、特殊健康診断)の未実施が挙げられます。

労働条件に関する不満、意に反する解雇など、労働者と企業との間に起こるたくさんのトラブル…。
そのような労使トラブルが是正勧告の大きな原因に なっています。
労使トラブルが起こる前に、事前に防ぐ方法はあるのです!!
私どもではトラブルの起こりやすい原因を事前にチェックし、多くの問題を解決する提案をさせて頂きます。
その一つが、就業規則の整備です。 事業主と従業員のトラブルは、就業規則を整備していればかなり避けられます。出来合いの就業規則や、古い就業規則を職場の実態に合った適法なもの にし、適正に運営することによってリスクを回避できます。
そして万が一是正勧告を受けた場合でも、専門知識を駆使し早急な対応で傷を最小限に喰い止め、問題解決へと導きます。

社会保険労務士は労働基準法・労働安全衛生法の専門家ですので、安心してご相談ください。

高齢者雇用相談

高齢者の賃金を見直したい事業主様はいらっしゃいませんか?

高齢者の賃金体系の変更と高齢者に対する職安からの補助(高年齢雇用継続給付金)の活用で、社員の手取りを減らすことなく会社の負担を減らすことができる可能性がございます。年金と賃金及び高年齢雇用継続給付金との無料シュミレーションサービスをご提供いたします。これにより、60歳以降の適切な賃金が判断できます。

中小企業にとって、豊富な経験や知識を有する60歳以降の熟練労働者は非常に貴重な人材です。これらの人材を60歳以降、定年等によってみすみす手放してしまうのは会社にとって大きな損失であることは言うまでもありません。しかしながら一方で、年齢を重ねるごとにこれら熟練労働者の給与は高くなる傾向にあり、会社の規模によっては、年々膨らむ人件費による経営の圧迫は死活問題ともなりかねません。

60歳以降の熟年労働者の豊富な経験や知識を活用したいが、人件費は抑えたい・・・。

そんな一見矛盾していると思われるようなご要望にお応えするのが金子経営労務管理事務所です。

60歳以降の熟年労働者の豊富な経験や知識を活用したいが、人件費は抑えたい・・・。

※1 在職老齢年金
※2 高年齢雇用継続給付・・・雇用保険被保険者期間が5年以上必要

「給与・職安からの補助・年金」をバランスよく組み合わせ、60歳以降の熟練労働者に支給すべき最適な賃金を算出します。

例:サラリーマンのAさんの場合

1.60歳到達時の賃金 ¥300,000
2.直近1年間の賞与の合計 ¥500,000
3.60歳以降の年間の年金額 ¥1,250,000
※加給年金、基金への加入等はないものとします

左記の例では最適賃金の算出により、最適給与は月額¥184,000となります。この¥184,000をAさんの60歳以降の給与月額とすることにより、給与の減額を極力抑えつつ、会社負担を大幅に減らすことが出来ます。具体的な数字で示しますと・・・

Aさんに対し会社から支給される月額給与は60歳前の¥305,000から¥184,000に大幅にダウンしますが、60歳に到達し一定の条件をクリアしますと年金(在職老齢年金)、および職安からの補助高年齢(雇用継続給付)が受けられます。60歳以降に受けられる給与、年金、職安からの補助を合計すると

\184,000(給与) + \70,450(年金) + ¥26,808(職安からの補助) = ¥281,258

となります。(年金額、及び高年齢雇用継続給付の計算式は省略いたします。)この額は60歳前の供与の実に 94%!

つまり会社の負担を大幅に軽減(約40%)されるにもかかわらず、労働者への支給給与はある程度60歳前の水準を維持することが可能となるのです。年間ベースで換算しますと¥1,582,968もの経費削減となるのです。

会社負担軽減分
{¥300,000(給与月額)+¥44,553(社会保険料)} × 12 = ¥4,134,636
{¥184,000(給与月額)+¥26,732(社会保険料)} × 12 = ¥2,528,784
¥4,134,636 - ¥2,528,784 = ¥1,605,852

※実際の計算時には上記以外にもいくつかの要素が加わるため、必ずしも正確な数字ではありません。
※健康保険料は埼玉県の料率を使用しています。(平成29年5月1日 現在)

このような最適給与の計算は複雑であるため、知識と経験を有する社会保険労務士に 依頼されることをお勧めします。

以上のような具体的な金額を算出し、必要があれば専門知識を有する社会保険労務士が、事業主様、及び対象となる労務者ご本人に詳しく説明をし、双方納得の上で60歳以降も継続して働いてもらえるような環境を整えます。
この最適賃金の採用により、60歳以降熟年労働者にとっては生活レベルの低下を極力抑え、事業主様にとっても会社の人件費負担を軽減させ、無理なく継続して働いてもらえる事ができるのです。